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今、あの時、ニワトリみたいに二度見して、目ん玉転げ落ちた顔を思い出した。
思い出すだけで笑っちゃうんだよね。
あのね、キミはあたしから王子様みたいとか、カッコいいとかの評価をされたいようだけど、それはある意味押し付けのようなもの。
あたしはキミに笑わせて欲しい。
3枚目でいてほしい。
自分ではそんなところがあるとは思ってもないんだろうけど、あたしには3枚目なんだよ。
2枚目になりたいと思ってもね、
あたしは3枚目のキミを求めてる。
カッコいいなんて、あたしは求めてないのに、キミはカッコ良さを自分に求め、あたしにもそういう評価を求めてる。
カッコいい人見ても、笑えない。
あたしはキミに笑わせてほしい。
バカにするとかじゃなくて。
あたしの前でど緊張して、挙動不審になっちゃう姿を見て、あたしは嬉しいんだよ。
ほっこり笑える。
特に自分がなりたいカッコいい人になんてならなくていい。
普通に当たり前に白衣着て仕事してるだけで、カッコいいし、尊敬できる。
何者かになろうとしなくていいんだよ。
あたし見せる姿、そのまんまでいいんだよ。
無理しなくていい。
あたしはずーっとそう思い続けてるのに、
それを受け入れられないから、こうなってるんだよ。
努力とか、忍耐とか要らないの。
とりあえずパンツだけはいてればいいんだよ。
プライドなんて要らない。
邪魔。
ただ、あたしの知ってるキミのまんまでいいんだよ。
それのどこが悪いの?
気に入られるための努力なんてあたしには必要ないんだよ。
努力しないと手に入らないとかもない。
キミさえ素直になれば、簡単に手に入るんだと思う。
作戦もテクニックも、うまい言葉も要らないの。
ただ、あたしの顔を見て、涙流してくれればいいから。
その時に自然と出た言葉が、本音だと思うよ。
あたしの想像ではね、
今までごめんなさい、って泣きながら謝る光景が目に浮かんでる。
あたしは、よしよし、としてあげる。そんなイメージ。
何者かにならなくていい。
どんな自分も、嫌わない人がいると信じられるかが鍵。
ありのままの自分でいることに許可を出してあげてね。
それは、キミにしかできないことだよ。